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2007-07-23

西芳寺(苔寺)

地蔵院で蚊に刺された腕に爪で「×(ばってん)」につけながら次に向かったのは、今回の京都旅行のメインイベントの一つで、世界文化遺産「古都京都の文化財」のなかで最後まで未訪のまま残っていた西芳寺(苔寺)参拝です。
今回、6月末に上洛しようと心に決めてから、一番最初に準備をしたのが、西芳寺の参拝申込み手続でした。
その昔、30年前までは普通に拝観料を納めて参拝することができたのですが、今では往復はがきで事前に申し込んでおかないと、参拝することができません。また、参拝に当たっては写経等の宗教行事へ参加が必須で、冥加料も「3,000円/人」と金額面でも敷居が高いお寺となってしまいました。
ですが、何の対策もとらず、参拝客が次々と押し寄せていたら、庭園の苔を維持・保全するのに大変な労力が必要でしょうから、世界文化遺産に登録されたことを考えると、これでよかったのかもしれません。
…と参拝前は思っていたのよ、参拝前は。
さて、念願の苔寺訪問です。

参観許可証には「拝観させて欲しければ13時までに来い」と(実際にはちゃんとした丁寧な言葉で)書いてあり、多くても100人ぐらいなのかなと思いながら12時50分頃到着したのですが、中に入ると100人どころの騒ぎではない。下手したら200人以上居たんじゃなかろうか。
1人あたりの冥加料が3,000円だから200人として…などと頭の中で算盤をはじきながら本堂(というのかな?)へ向かうと、おびただしい数の写経セットが所狭しと並んでいて、早くやって来た人から順に写経を始めていました。ただ、おしゃべりしながら写経する者が多くいて、最初からテンションが下がるいっぽう。

13時になると住職がやってきて、参拝者全員で写経セットともに配られてあった般若心経を三度唱えた後に、写経を再開するのですが、ここで、僧侶が
「時間がない人は、数行だけでも写経していただいて、あとは自宅に持ち帰り、完成させてから郵送してもいいです」
「写経の途中でそのまま納めていただいても結構です」
「あとはゆっくり庭園を見てください」
と言い出し、正直がっかりしてしまいました。
入口の立看板には「昭和52年7月1日より事前に申し込んでいただく少数参拝(庭園だけの拝観でなく写経、法話、座禅等の宗教行事におまいりしていただく聞法の道場)となりました」などと書かれていましたが、実態はこんな感じ。
私は、ちゃんと1時間弱ほどかけて最後まで写経を行いましたが、大半の参拝客は適当になぞって、そそくさと庭園へ向かっていったのでした。
庭園自体は梅雨時ということもあり、苔の生す様子など噂にたがわず素晴らしかったのですが、いかんせん、最初の「宗教行事」があまりに酷すぎでした。
いわゆる観光シーズンをはずしてもこのような状況なのだから、ピーク時は推して知るべしか? それとも、この日だけの出来事だったのだろうか?
いずれにしても、期待が大きかっただけに、非常に後味の悪い苔寺訪問となってしまいました…。

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