Home > Archives > 2006-10-10

2006-10-10

「音のしずく 心の調べ コンサート 第二章」レポート

昨日(10/9)、岩倉実相院の「音のしずく 心の調べ コンサート 第二章」に
参加してきました。
実は、7日の土曜日の朝から京都に入っていたのですが、
週末の2日間は朝から晩まで京都検定の集中講習会で大谷大学にいたので、
観光的には日帰り滞在と変わらなかったんですけどね。
コンサートが始まるまで、何処をうろついていたかは
そのうち明らかにすることにして、参加レポートを書きたいと思います。
(かなりの長文です…)
開場…いや、開門時刻は18時だったので、それに間に合えばよかったのですが、
国際会館駅から実相院へ向かうのに、ちょうどいい時間帯のバスがなかったので、
思い切って徒歩で実相院まで行きました。
国際会館駅から地上に出て、同志社高校の西側を流れる岩倉川沿いを歩くと、
実相院にたどり着くことは知っていたので、夕方の散歩のつもりで
のんびり歩いたのですが、意外にも30分かからずに到着。
距離にして2km足らずだからそんなものかな…。
気候のいい時なんかは、徒歩アクセスも十分に使えますです、はい。
 
17時45分頃(開門15分前)の時点で、すでに60名ほどが門前で待っていました。
実相院さんのホームページには、
「寒い中開門までお待たせした皆様に心よりお詫び申し上げます。」とありましたが、
そんなことなかったですよ。はやる気持ちがそうさせただけですから…。
整理番号1番のチケットを持っていたので、もちろん一番最初に受付を済ませ、
本日の会場となる客殿へ。
前方4列(かな?)程度のみ座布団が敷かれており、その他はすべて
椅子席になっていました。
私は当然のごとく、最前列のほぼ中央に陣取ったのですが、
みんな椅子席に流れていったのはちょっと驚きでした。
チチ松村さん曰く「夢に出てくるぐらい顔が近い」という至近距離で、
生演奏を聴く機会は大変貴重だと私なんかは思うんだけどなぁ…。
実相院の現状については、第一章の時のレポートに書いたので、
詳細はそちらに譲りますが、オムロンさんと吉忠さんの協賛のおかげで、
今回もチケット代全額が修復事業にまわされることになったそうです。
(第一章はPHPさんだったんじゃないかな?)
で、GONTITIさんのコンサートが始まったのですが、私の印象は
「なにこれ! 良すぎ!!」
アコースティックギターですから、溝口さんのチェロの時のように、
空気の振動がビリビリと伝わってくることはないのですが、
なんて表現すればよいのだろうか、周囲の音と一体になっている感覚に
襲われたのです。
MCの中でチチ松村さんが「ホールコンサートでは、虫の声をSEに使うことがある」
と言われていましたが、実相院ではその虫の声もライブ音声なのですから、
一体感を感じるのは、考えてみれば当然かもしれません。
GONTITIのお二人とも再三にわたって「絶好調」「ラクな気分で演奏ができる」
「録音しておけばよかったぐらいの出来」とお話されていました。
ホールのように音響を計算された場所もいいけど、何事も自然の力には勝てない
ということなのでしょうか?
今回もチケット代金以上の価値があった、大変印象深いコンサートとなりました。
そうそう、石庭を望む客殿の縁側に、お花が生けてあったのですが、
これは麻生さんからの事前告知どおり、未生流笹岡の次期家元である
笹岡隆甫さんの献花によるもの。
竹で組まれた屏風(衝立?)に、季節を先取りして紅く色づいたナナカマドを飾り付け、
その前に置かれた三方の上には、7種の季節の草花(ススキ、キキョウ、オミナエシ、
ハギなど)が生けてありました。
GONTITIの演奏が終わったあと、麻生さんに促されて笹岡さんがお話されたのですが、
今回の演奏曲の中の一つであった「忘我の調べ」の「忘我」という言葉に
非常に共感を持ったとのこと。
「忘我」とは、文字どおり「物事に心を奪われて我を忘れて集中する」ことだが、
笹岡さんは、生け花も、自分がこう生けたいというのではなく、
草花がもっとも美しく見えるにはどうすればよいかという気持ちで、
いつも花を生けていると仰っていました。
これ、音楽や生け花に限らず、私たちの生活すべてに共通する
すごく大事な考え方だと思います。
20時少し前に演奏が終了したあとは、石庭の前で比叡山からのぼった月を愛でるという、まさに「観月の石庭」にふさわしい穏やかな時間を過ごさせていただきました。
せっかくなので、麻生圭子さんにお声をかけようかと思ったのですが、
招待の方々の対応で大変そうでしたし、なにやらどこぞのお偉いさんが来ていた
ご様子だったので、今回は、そのまま失礼させていただきました。
もし、このブログを読んでいらっしゃったら
「今回も素敵なコンサートをありがとうございましたm(__)m」
おっと、大事なことを一つ忘れてました…。
演奏曲の中で「緑の性格~黒い蟻の生活」がものすごく気に入ったので、
その曲が収録されていた25周年記念のCDを購入し、
その場でGONTITIのお二人にサインをいただいちゃいました。
ただ、不幸なことに、ライブでの素晴らしい演奏を聞いた直後だったので、
帰りの新幹線でそのCDを聴いたとき、少し物足りなく感じてしまったのでした…。
京都から最終の2本前の新幹線で東京へ戻り、自宅に着いたのは、
日付が変わった0時40分すぎでした。
肉体的にはかなり疲れましたが、精神的には非常に有意義な一日となったのでした。
写真は、笹岡隆甫さんの献花越しに見る10月9日の月です。
(麻生さんは居待月だと言ってましたけど、今年の仲秋の名月は
満月の1日前だったので、昨日の20時ごろの月齢は17.0。
どちらかといえば立待月に近かったんじゃないかなぁ。)

Home > Archives > 2006-10-10

Search
Feeds
Meta

Return to page top